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辻月丹はここにいる
 無外流祖・辻月丹物語

        不死鳥の章  第五回

 〜 無外流高橋派のはじまり 〜


ここで、時代を戻って、前橋〜姫路藩の無外流兵法に再び注目しましょう。

辻月丹は、甥孫の辻右平太を前橋藩の剣術指南役として推挙しましたが、右平太の道統は弟子の室賀官八で途絶えていました。酒井家で無外流の道統が復活するのは、姫路転封後の酒井忠以(ただざね)の代になって、姫路藩士・高橋八助(充亮)の登場まで待たねばなりません。そして、このときに復活した伝系が、現在の無外流居合まで続くことになるのです。

無外流兵法譚江戸幕府開府の翌年、慶長6年(1601年)、酒井重忠が関ケ原の合戦の功で厩橋(前橋)に転封となった頃に、酒井家に召し抱えられた高橋又兵衛が高橋家の初代と言われています。元禄元年(1688)には、高橋家四代・高橋幸七秋猶が江戸詰を命じられ、以後5代・又兵衛秋茂は大塚の下屋敷、6代・八助充亮は大手門前の上屋敷で出生しています。高橋幸七が江戸詰となった頃は、藩主の酒井忠挙(ただたか)と辻月丹の交流はすでに始まっていたので、高橋幸七は藩邸を訪れる辻月丹の姿くらいは見たことがあったかも知れません。

前述したように、高橋家六代・高橋八助(充亮)から姫路系無外流の道統が復活し、同時に復活した自鏡流居合とともに、現在の無外流居合まで続くことになります。そこで、高橋八助の時代をもう少し詳しく見ていきましょう。

寛政年間になると、姫路藩では、かつて辻右平太、室賀官八が伝えた無外流剣術と自鏡流居合は、すでに完全な形では残っていませんでした。そんなとき、寛政元年(1789)に11代藩主・酒井忠以(ただざね)の自鏡流居合の稽古相手として、高橋家6代目の高橋八助(充亮)が抜擢されたのです。

無外流兵法譚
酒井抱一筆 『四季花鳥図巻』より(東京国立博物館蔵)
酒井抱一は、もっとも多くの作品が切手に採用された画家の一人である。

ちなみに、この酒井忠以の実弟が、江戸時代に俵屋宗達、尾形光琳と続いた「琳派」を大成させた酒井抱一(ほういつ:1761〜1828)です。酒井抱一は、譜代大名筆頭の酒井家嫡流に生まれながら、一生を芸術に捧げた変わり種ではありますが、おそらく酒井雅楽頭家の歴史上もっとも有名な人物に違いありません。

ところで、高橋八助は自鏡流居合の指南役を命じられたのではなく、あくまでも藩主の稽古相手を命じられたことに注目しなければなりません。
では、居合の稽古相手とはどのような役割でしょうか?
今日では、居合は仮想敵を相手にする「一人演武」の稽古が主ですが、江戸時代の居合は、現在よりも「組稽古」の割合がかなり多かったのです。これは自鏡流居合も例外ではありません。高橋八助は「打太刀」の役目を命じられたと考えられます。
さらに、高橋八助が江戸城大手門前の酒井家上屋敷で生まれた事実も、藩主との関係を考える上で重要です。これは、高橋家がこの頃から藩主の武芸世話係として、また身辺警護役として、藩主の近くに対待していたからであり、その子(八助)は藩主の子供の側近として成長することを期待されていたのです。まして、酒井家上屋敷があった江戸城大手門前は、一般人が近寄れるような場所ではありません。
高橋八助は、酒井忠以の少年時代から槍術稽古や馬術稽古の相手も勤めていますから、酒井忠以とは強い信頼関係があったのでしょう。

ところが、翌年酒井忠以が36歳で急死してしまいました。

高橋八助は12代藩主・酒井忠通の自鏡流居合の稽古相手を命じられたのですが、新藩主とは酒井忠以の頃のように息が合わなかったようです。また、自鏡流居合も姫路藩では一部が失伝していたため、期待に応えるような稽古相手になりませんでした。
とうとう新藩主からは、江戸の深川在住の「家元」(山村昌茂)のもとで、『形(かた)の承合』をして来るように命じられてしまいます。



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